C++のメリットや学ぶ意味は?今から学ぶ価値は果たしてあるのか?
こんにちは!
現役Webエンジニアの今井(@ima_maru)です。
今回紹介するプログラミング言語「C++」は、「C言語」にオブジェクト指向という概念を取り入れたプログラミング言語になっています。
そのためC++は、C言語の実行速度や汎用性に加え、大規模開発に役立つオブジェクト指向プログラミングのメリットを兼ね備えたプログラミング言語といってもよいでしょう。
そんなC++の魅力と特徴、学習難易度などを解説していこうと思います。
少し長くなってしまうかもしれませんので、是非「もくじ」をご活用ください。
- C言語/C++は実行速度がトップクラスの速さを誇り、作れないものが少ない言語
- プログラミングの基礎を理解するのに良い
- C言語を学んだあとにC++を学べば、スムーズなプログラミング学習をできる
- OS・ソフトウェア開発・ゲーム、VR開発・IoTなどに使われている
- C++を本格的に学べるおすすめのプログラミングスクールはKENスクール
プログラミング言語「C++」とは?
プログラミング言語「C++」は、1983年に登場した歴史の長いプログラミング言語で、「シープラ」「シープラプラ」などと呼ばれています。
C言語を拡張して作られたプログラミング言語で、オブジェクト指向プログラミングをはじめとして、様々な設計手法をサポートしているマルチパラダイムプログラミング言語です。
用途は幅広く、「OS開発」「ゲーム開発」「組み込み開発」「ソフトウェア開発」「科学技術計算ライブラリ開発」など多岐にわたります。
プログラミング言語「C++」の特徴
まずは、C++がほかのプログラミング言語に比べて、どのような特徴を持っているのかについて見ていきます。
- 実行速度がとても速い
- 汎用性が高い
- C言語と互換性がある
- オブジェクト指向
では、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
実行速度がとても速い
C++は、実行速度がとても速いです。
C++は、「C言語」「Go言語」「Rust」などのプログラミング言語と同じ「コンパイラ型言語」と呼ばれるプログラミング言語です。
これらの言語は、一般的に実行速度が速いという特徴を持っています。
また、その中でもC++はトップレベルの実行速度を誇る言語なので、よく実行速度が求められる処理(機械学習のライブラリなど)に用いられます。
この「実行速度が速い」というのがC++の大きな特徴です。
汎用性が高い
C++は、汎用性が高いです。
汎用性が高いというのは、C++で作れないものが少ないということを意味します。
極端な話をすれば、ほかの言語でできることはほとんどできるとまでも言われています。
これは、パソコンの内部処理までも記述できる「低水準よりの言語」だからでしょう。
簡単に言えば、より細かな記述が必要な代わりに、コンピュータに対しての細かい操作までできる言語だということです。
「その用途に適しているか」はまた違う話ですけどね。
C言語との互換性とよく似た構文を持つ
C++は、C言語と多くの部分で互換性を持ちます。
そのため、以下のようなことが許されます。
- プロジェクト内で、C言語のファイルとC++のファイルが混在してても良い
- C言語のソースコードをC++のコンパイラでコンパイルできる
これは、C++がC言語を拡張して作られたプログラミング言語だからです。
つまり、C言語とC++は「親子関係」ということです。
親がC言語、子がC++ですね。
また、プログラムの構文自体もC言語の構文と非常に似ています。
これは、ソースコードを見れば一発でわかるので見てみましょう。
#include <stdio.h>
main()
{
printf("Hello, world!n");
}
#include <iostream>
using namespace std;
int main()
{
cout << "Hello, World!" << endl;
}
標準ライブラリの名前や、名前空間と呼ばれるものなど細かい違いはありますが、ほとんど同じということが見て取れると思います。
そのため、すでにC言語を学んでいるという方は、C++を学ぶハードルがぐっと下がるでしょう。
C言語にオブジェクト指向を加えたような言語
C++は、C言語にオブジェクト指向を加えたようなプログラミング言語です。
オブジェクト指向とは、大規模開発に適している現在主流のシステム設計手法です。
オブジェクト指向を正しく理解したうえで正しく実装することができれば、保守性が上がり、変更に強いプログラムを作ることができます。
まとめると、C++は「大規模開発にも適応できるようにC言語拡張したプログラミング言語」だということです。
JavaやPythonといったプログラミング言語と比較するとオブジェクト指向サポートは弱いとは思いますが、C言語で大規模開発するよりは圧倒的に現実的です。
C++を学ぶ意味とは?【もう古いの?】
私は大学でC++を学びましたが、正直何のために学ぶのか全くわかりませんでした。
ただ、昔からある言語なのに今でもよく使われているには理由があるはずです。
ここでは、「プログラミング学習において、C++を学ぶメリット2つ」「プログラミング言語としてC++を使うメリット1つ」を紹介します。
- C言語/C++はプログラミングの基礎を理解するのによい
- C++はオブジェクト指向を理解するのに使える
- 実行速度を重視したプログラムに適している
- リソースを意識した開発に適している
この3点がC++を学ぶ意味になります。
それぞれ詳しく解説していきます。
【学習面】C言語/C++はプログラミングの基礎を理解するのによい
C言語/C++は、プログラミングの基礎や仕組みを深く理解するのに非常に良い言語です。
ここでは、C言語とC++をまとめて「C言語/C++」として話を進めます。
C言語/C++はプログラミング言語としての歴史がものすごく長いです。
つまりは昔からあるプログラミング言語ということです。
そのため、のちに登場するプログラミング言語に影響を与えていることが多いです。
引用元 : たいさブログ様
図を見れば、「Java」「Python」「Ruby」「PHP」といった今人気の言語にも影響を及ぼしていることがわかります。
言い換えれば、C言語/C++は様々なプログラミング言語の基礎となっているということです。
そのため、
- C言語/C++を学ぶと、ほかの言語の習得が早くなる
- C言語/C++を学ぶと、プログラミングの理解がより深まる
といったことがあります。
C言語/C++から学んだ私も、実際にそう感じました。
イメージでいえば、足し算を学ぶより前に数字という概念について学ぶというようなイメージです。
そうすることで足し算を理解するのは容易であり、その仕組みをより理解できるということです。
少し大袈裟かもしれませんが、要はそういうことです。
【学習面】C++はオブジェクト指向を理解するのに使える
C++は、C言語にオブジェクト指向を加えたようなプログラミング言語です。
そのため、C言語⇒C++と学習すると「オブジェクト指向とはいったい何なのか?」ということ差分として学習することができます。
例えば、「C言語ではできなかったけど、C++ではこういう風な書き方ができるのか」といったことが起こります。
以下は、同じ意味のコードですが、C言語コードはオブジェクト指向ではなく、C++コードはオブジェクト指向を使った例です。
A a1, a2, a3, a4, a5;
a1.foo();
a2.foo();
a3.foo();
a4.foo();
a5.foo();
A a1, a2, a3, a4, a5;
A* a[N] = { &a1,&a2,&a3,&a4,&a5 };
for (int i = 0; i < N; i++)
a[i]->foo();
このように、オブジェクト指向の場合とそうでない場合がわかるようになり、オブジェクト指向の便利さをより深く理解することができます。
また、オブジェクト指向を実現するためのプログラミング言語仕様「継承」「カプセル化」「ポリモーフィズム」についても学ぶきっかけになります。
【言語自体のメリット】実行速度を重視したプログラムに適している
C++は実行速度がとても速いので、実行速度を重視する科学計算のライブラリや、ゲーム開発などに適しています。
- 機械学習で有名なフレームワーク「TensorFlow」
- 顔認証等の技術に使われている画像処理・画像解析のライブラリ「OpenCV」
- 高性能のゲームエンジン「Unreal Engine」の標準開発言語
このように、実行速度をより重視したいシステムやアルゴリズム、計算処理などにC++はよく用いられています。
【言語自体のメリット】ハードウェアを意識した開発に適している
C++は、CPUやメモリなどのハードウェアやリソースを意識したシステム開発に適しています。
- 組み込み開発:少ないリソースでの開発
- OS開発:コンピュータの内部処理の開発
例えば、少ないリソースで開発を行う組み込み開発や、コンピュータの内部処理を意識する必要があるOS開発などに使われています。
学習難易度★★★★☆
C++はC言語よりも難しくなると感じます。
オブジェクト指向という新しい考え方や、さらに詳しくコンピュータの内部を知る必要が出てくるからです。
C→C++と学ぶと、とてもスムーズな学習ができます。
C言語とC++は互換性があり、同時に使うこともできますので、C++を学ぶ方はC言語から学ぶのもいい選択肢です。
C言語を学んだあとにC++を学べば、スムーズなプログラミング学習をすることができます。一緒に使うこともできます。
私が実際に買った参考書は二つあります。
一つが「独習C++」もう一つが「やさしいC++」です。
C言語がある程度理解できている方は「独習C++」で網羅できますが、
- C言語ちょっと怪しいな
- C++から学びたいな
って方は「やさしいC++」を自信を持ってオススメします。
何ができる?どんな職業につける?
C++は非常に汎用性が高く、いろんな分野で使われています。
- OS・ソフトウェア開発
- ゲーム・VR開発
- 電化製品の組み込み・IoT
この分野が多いでしょう。
OSやソフトウェア開発
C言語がもともとOSの開発のために作られたこともあり、C++でもOS開発ができます。
自作OSなどを作っている方もたまに見かけますね。
さらに、「Chrome」や「Safari」などの有名なインターネットブラウザにも使用されていて、このようなソフトウェアを開発することもできます。
ゲーム・VR開発
最近のゲームは、処理が重くなりつつあり、処理速度を必要とすることがあります。
そのような処理の重いゲームやVRなどの開発にC/C++が使われています。
例えば、非常に有名なゲームエンジンの「Unreal Engine」の標準開発言語はC++だったりします。
組み込み・IoT
C++よりはC言語をよく使いますが、理由はこちらのサイト様をご参照ください。
組み込みとは電化製品などの内部のプログラムを実装することです。
プログラムをものに組み込むというイメージでしょうか。
電子レンジがボタン一つで動くのはプログラミングが関係していたのですね。
IoTとは簡単に言えば、いろんな電化製品がインターネットにつながるというものです。
離れたところからスマホ一つで操作できるエアコンなんかありますよね。あれなんかに使われている技術です。
これからさらに発展を遂げることが予想されます。
多くのプログラミング言語が使われている理由
プログラミング言語は大量に存在しています。なぜ多くのプログラミング言語が存在し使用されているのか?
これはズバリ、用途が違うからです。
iPhoneのアプリやAndroidのアプリ、皆さんもなじみ深いですよね?これとは別にWebアプリケーションやホームページの開発。それぞれに適するプログラミング言語って変わってくるんです。
穴を掘るのにスプーンなんて使ってられないですし、紅茶に砂糖を加えるのにスコップを使っている人がいないと一緒です。
穴を掘るにはスコップ!
紅茶に砂糖を加えるならスプーン!
そんな感じに適している言語ってのがあるわけです。
さらに具体例などを挙げた詳しい解説は↓の記事に書いてあります。
こちらの記事では、近年よく使われる人気のプログラミング言語のランキングや、将来性の高いプログラミング言語などの特徴や学習難易度について書いています。
まだ学習する言語を決めていない方や、言語によってどんなことができるのかを知りたい方にはオススメです。
以上、「C++のメリットや学ぶ意味は?今から学ぶ価値は果たしてあるのか?」でした。
最後までお読みいただきありがとうございました。