SESとは?SIerとの違いや「やめとけ」と言われる理由などを解説!
こんにちは!
今井(@ima_maru)です。
エンジニアとして働こう考えた時に気になるのが「働き方」ですよね!
この記事ではIT業界でよく用いられるSESという働き方について紹介していきます。
IT業界特有の形式なので、ぜひ他業種からの転職などを考えている方はSESについて知っておきましょう!
それでは始めましょう!
SES(System Engineering Service)とはなにか?
SESとは?
SESは一言で言うと、案件に対して技術者を提供する契約のことです。
例えば、基幹システムを改修する案件があった場合に、システムを作りたい会社が募集をかけます。
そこにエンジニアが派遣されるのです。
略さずに言うとSystem Engineering Serviceとなります。
SESについて詳しく説明する前に、SESと混同されがちな派遣や請負と比較してみましょう。
主に「誰の指揮系統に属するか?」と「何に報酬が支払われるか?」という2点について押さえておけば違いが分かりやすいです。
種類 | 提供するもの | 指揮系統 | 報酬 |
---|---|---|---|
SES | 技術者の技術力 | 派遣元 | 作業時間に対して |
派遣 | 労働者の労働力 | 派遣先 | 作業時間に対して |
請負 | 成果物 | 派遣元 | 納品物に対して |
SESは準委任契約である
SESは準委任契約と呼ばれる契約形態です。
準委任契約とは契約期間内の業務行為(仕事の過程)に対して報酬が生じる契約です。
契約の際は技術者が何を提供するかを考慮すれば理解が深まります。
準委任契約の場合は、技術者の作業時間に対して報酬が支払われます。
具体的には「1ヶ月で160時間の稼働」や、ハードな現場だと「1ヶ月に200時間の稼働」などの技術者が業務を行なった時間に対して報酬が支払われます。
あくまで業務を行えば契約を遂行したことになるので、成果物が必ず求められるわけではないのがポイントです。
SESと派遣契約の違い
派遣契約の場合は作業時間に対して報酬が支払われると言う点はSESと同じですが、派遣の場合はSESと違い、指揮系統はクライアント先の企業になります。
SESと請負契約の違い
請負契約の場合はSESとは異なり、成果物に対して報酬が支払われます。
そのため、一定の作業時間を提供するだけでは
成果物を提出しなければなりません。
なのでSESと比べると高度でシビアな契約内容と言えるでしょう。
SES企業とSIerと自社開発企業
SESとSIer(受託開発企業)の違い
またSIerとSESも違いが分かりにくい用語かと思います。
SIerとは何かというと簡単に言うとシステムの開発を受注して開発する企業になります。
有名な企業では富士通、NEC、日立、NTTデータなどがあります。
システムの開発を請け負うため成果物の納品が求められます。
SIerが成果物(システム)の納品を求められていて、労働力が足りない場合は他の会社からSESとして技術者の労働力を集めるというイメージでいれば間違い無いです。
SESと自社開発企業の違い
IT業界でよく耳にする自社開発企業との違いについても押さえておきましょう。
自社開発企業とは文字通り自社の開発したサービスを提要している企業です。
有名どころではフリマアプリのメルカリや会計ソフトのフリーなどの企業があります。
SESとの違いとしてはシステム開発が自社の正社員で構成される割合が多いです。
なぜかと言うと自社開発企業の場合は常にサービスをアップデートする必要があり、納品という概念が希薄だからです。
そのため恒常的にシステム開発に関わる人材を確保するために、自社で正社員を抱えて開発するケースが多いです。
SESはやめとけと言われる理由【闇】
SESには注意点があります。
IT業界に馴染みの無い方は知っていないと損をする可能性があるので知っておきましょう。
- 給料が安くなりがち
- ブラックな企業が多い
- プロジェクトに当たり外れがある
給料が安くなりがち
SESは給与が安くなりがちです。
原因としては、「労働力の提供であること」「多重下請け構造で中間マージンが抜かれていること」などが挙げられます。
まずSESはあくまで技術者の労働力や労働時間を提供する業務形態です。
なので付加価値をつけたり、設計を行うような業務というよりは、要望された業務を一定時間遂行するような業務になるケースが多いです。
そのため高い付加価値をつけて報酬を上げるというよりは低めの給与で一定時間働くということになりがちです。
またSESでは技術者複数の企業から募っているケースも多いです。
そのため発注者から直接発注を受ける1次請けだけではなく、2次請け、3次請けのように、多重した受け構造での開発になるケースがままあります。
当然、下の階層に行くほど中間マージンとして給与から引かれる金額が大きくなるため給与が安くなりがちです。
ブラックな企業が多い
SESにはブラックと言われる企業も多いです。
そもそもSESの契約内容は業務の指揮権が派遣元に企業にあるとされています。
しかし、現実問題として技術者の指揮権を派遣元が握るのは難しいです。
なぜなら技術者はクライアント企業のオフィスでクライアント企業の社員と一緒に仕事を行うからです。そのような状況でクライアント企業よりも派遣元の企業の指揮系統に従うというのは現実的ではないでしょう。
ということでSESという働き方自体がグレーゾーンな契約になりやすいという側面があるため、契約をしっかり守って働くという環境が担保されにくいです。
プロジェクトに当たり外れがある
また基本的に技術者は案件を選べないためプロジェクトに当たり外れがあります。
例えば
- 単純な入力作業しかさせてもらえない
- テスト業務が中心となりスキルが身につかない
- レガシーな開発環境に行く可能性がある
などです。
このように案件を技術者側が選べないのもデメリットと言えるでしょう。
SESで働くメリット
ここまでSESのデメリットについて紹介しましたが、一概に悪いところばかりではないです。
例えば下記のようなメリットがあります。
- 未経験でも正社員として採用されやすい
- 様々なプロジェクトに触れることができる
- 人脈を作れる
- 残業が少ない
未経験でも正社員として採用されやすい
まず、SESは未経験者でも正社員として採用されやすいです。
SESは労働時間の提供を行えばよく、成果物を求められないため責任が重く無い業務が中心になります。
そのため比較的未経験者でも参入しやすくこれからエンジニアとしてキャリアを積みたい人の第一歩としては、現実的な選択肢と言えます。
様々なプロジェクトに触れることができる
SESは技術者が案件を選べないと紹介しましたが、裏を返せば様々なプロジェクトに触れられる可能性があるということです。
SESをやりながら、自分の適性に合いそうな技術領域を見つけていくと言う選択肢もありでしょう。
また大企業の案件にも関われる可能性があります。
人脈を作れる
SESでは様々な企業の人と仕事をするため、他社との人脈を作れるのもポイントです。
SES内で勤務態度や技術を認められれば、社外のエンジニアから声がかかる可能性もあります。
残業が少ない【注意】
SESは労働時間を売る契約のため、労働時間には厳しい傾向があります。
クライアント側も勤務時間が長くなると報酬を余分に支払う必要があるためなるべく残業はさせたくないという事情もあります。
ということで残業は基本的には少ないです。
とはいえ契約の不履行などが横行しやすい業態なので、実際には長時間の残業時間が発生しているブラックSESともいうべき企業も存在しているため、残業時間などについては事前に探っておいた方が良いです。
まとめ
- SESはシステム開発の契約形態で技術者が作業時間を提供し、派遣元の指揮系統に従う契約
- 単純作業になりやすい、多重下請けで給与が安いなどの問題を抱えやすい契約携帯でもある(デメリット)
- 未経験でも参入しやすく、働きぶり次第では他社からのお誘いがあるなどこれからエンジニアでやっていきたい人には有力な選択肢ではある(メリット)
ぜひSESのメリット・デメリットについて吟味した上で、エンジニアとしてどのような働き方をするか考えていただければ幸いです!
以上「SESについての紹介」でした!
最後までご覧いただきありがとうございます。