IoTでできることを活用事例15個とともにわかりやすく解説!仕組みや需要も紹介。
こんにちは!
今井(@ima_maru)です。
昨今、IoTという技術が注目を集めており、様々な分野でIoTサービスが利用されています。
「自動運転技術」や「5G」といった最新技術と関連があるという点も注目を集めている理由でしょう。
本記事ではそんなIoTとは何かをわかりやすく解説し、IoTの活用事例について分野別に紹介していきます。
それでは解説に移ります。
IoTとは何か?わかりやすく解説!
IoTとは、さまざまな電子機器をインターネットに接続し、世の中を便利にするという概念や技術のことを指します。
英語では「Internet of Things」、この頭文字をとって「IoT」(アイオーティー)と呼ばれています。
直訳すると「モノのインターネット」となります。
IoTはインターネットにあらゆる「モノ」を繋いで利用しようとする技術
IoTは、インターネットにあらゆる「モノ」を繋いで利用しようとする技術です。
つまり「パソコンやスマホだけじゃなくて、もっといろんな電子機器をインターネットに繋げてみよう」という考えや技術です。
例えば、以下のようなモノがインターネットに繋げて利用されています。
IoT機器 | インターネットに繋がることでできること |
---|---|
エアコン | 帰り途中に暖房や冷房を遠隔でつけられる |
電気ポット | 離れた親族の電気ポット利用状況を確認できる |
自動運転車 | 自動車間で通信を行うことで制御できる |
医療機器 | 遠隔治療などができる |
水位計 | 離れた場所からリアルタイムで水位を確認できる |
全部に共通して言えることは、インターネットに繋がっているからこそできることがあるということです。
繰り返しですが、あらゆるモノをインターネットに繋いで利用するのがIoTです。
アイデア次第では、あらゆる「モノ」に適用できそうです。これから「あっ」と驚くような組み合わせが出てくるに違いありません。
IoTのメリットは物理的に離れた電子機器と通信ができること
IoTのメリットは、「物理的に離れた電子機器と通信ができる」ことです。
離れた場所の情報を得られたり、遠隔で操作が出来たり、またその両方とも同時に行えることがメリットなのです。
そのため、このメリットを活かすことが出来るモノと相性が良いのです。
具体的には、後ほど紹介する活用事例を見ると良いでしょう。
「離れた場所からできたらいいのになあ」といった課題を解決してくれるのがIoTなわけです。
IoTでできることは「状態を知る」「操作する」
IoTでできることは大きくわけて2つあります。
- 遠隔で「モノ」の状態を知る
- 遠隔で「モノ」を操作する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
遠隔で「モノ」の状態を知る
IoTの技術によって、離れた場所からモノの状態を知ることができます。
- 自宅から親が暮らす実家の電気ポット利用状況を知る
- 離れた場所から川の水位を監視する
- 自宅から診療を受けられる
例えば、電気ポットにIoTを組み合わせた商品「みまもりほっとらいん」があります。
これは、離れた場所から利用状況を知ることができる電気ポットで、高齢のご家族が離れた場所で暮らしているという方向けの商品です。
離れた場所から電気ポットの利用状況を知ることができるので、ご家族の安否を簡単に確認することができます。
他にも、川の水位を離れた場所から監視するためのIoT機器、自宅からの診療を受けるためのIoT機器などもあります。
このように、IoTの特徴には「物理的に離れた位置からでも、インターネットを介して情報を得られる」ということが挙げられます。
遠隔で「モノ」を操作する
IoTの技術によって、離れた場所からモノを操作することもできます。
- 帰宅途中にスマホからエアコンをON
- 職場からペットに遠隔で餌をあげる
- 自動運転タクシーを呼ぶ
例えば、帰宅途中に自宅のエアコンをつけることができたり、職場にいながらペットの餌やりができたりします。
将来的には自動運転タクシーを配車ができるかもしれませんが、これができるのもIoT技術の「モノがインターネットがつながる」ということのおかげです。
このように、IoTの特徴には「物理的に離れた位置からでも、インターネットを介して機器を操作できる」ということが挙げられます。
IoTの活用事例15個を分野ごとに紹介!【身近な例や最新技術も】
IoTとは何かやIoTでできることが分かったところで、実際にどのような活用事例があるのかを見ていきましょう。
- みまもりほっとライン
- スマ@ホームシステム
- Qrio Smart Tag
- PlushCare
- G・U・MPLAY
- HEXOSKIN
- Waymo社の自動運転車
- HELPNET
- スマイリングロード
- コマツ
- Intelligence Dashboard
- 奥野田ワイナリー
- foop
- Prime Air
- 村田機械の自動倉庫システム
では見ていきます。
IoT×家電の活用事例
IoT家電は従来の家電とは異なり、家電がネットに接続できるようになっています。
ネットに繋がるとどんな良いことがあるでしょうか。
具体的な活用事例を見ていきましょう。
みまもりほっとライン
みまもりほっとラインは、「無線通信機が内蔵されたiポット」です。
ポットを使用したらスマホに通知が飛んだり、ポットの仕様状況を確認できたりします。
たとえば、別居している高齢者の使用状況を確認し、一人で生活できていることを確認する、といった使い方ができます。
さり気なく高齢者を見守ることができるのがミソですね。
スマ@ホームシステム
スマ@ホームは「防犯対策のlot家電」です。
近くに不審者が来たら通知音が鳴り、近所の人に知らせられる仕組みとなっています。
通知音が鳴ったら、使用者のスマホにも通知が行くようになっているので、長期旅行中も安心です。
Qrio Smart Tag
Qrio Smart Tagは「なくした鍵を探すときに便利なlot家電」です。
Qrio Smart Tagを鍵につけておくことで使用します。
鍵がないときタグのボタンを鳴らせば、スマホにタグの場所がどこかの通知が行くようになっています。
IoT×医療の活用事例【IoMT】
医療分野でもIoTは活用されており、IoMT(Internet of Medical Things)という言葉も生まれています。
IoMTとは、医療機器をネット接続させ、医療データの収集や解析をリアルタイムで行う技術のことです。
また、IoT機器を活用しての遠隔治療ができるのではないかと話題を呼んでいますね。
病院へ通院できない寝たきりの人も、遠隔で安全に診療ができるようになりました。
医療分野で具体的にIoTがどう活用されているか、見ていきましょう。
PlushCare
PlushCareは、「自宅で診療が受けられる遠隔診療サービス」です。
診療した欲しい医師を選ぶこともできます。
こういった遠隔診療サービスは今後更に流行すると予想されます。
G・U・MPLAY
G・U・MPLAYは、「歯磨きの最適な方法を提案してくれるサービス」です。
歯磨きが意外と正しく行えていない人が多いです。
G・U・MPLAYでは加速度センサーやLEDが搭載されており、磨き方をチェックします。
スマホにフィードバックが送られるので、正しい歯磨きがどうか確認できます。
HEXOSKIN
HEXOSKINは、「心拍数や肺活量を測ることができるシャツ」です。
普通のシャツと変わらないので、日常生活を送りながら心拍数を計測できます。
IoT×自動車の活用事例【これからに期待が掛かる】
自動車分野はIoTと相性が良く、IoT技術をうまく活用する自動車会社が増えています。
自動車をネット接続できれば、運転データをAIに分析させることも可能です。
AIがデータを分析すれば、走行状況改善につなげることができ、より安全な自動運転ができます。
自動運転分野で具体的にどうIoTが活用されているか、見ていきましょう。
Waymo社の自動運転車
Waymo社グーグルの兄弟会社であり、自動運転技術で有名です。
IoTを活用すれば自動で走る車の開発を可能にし、ドライバーの負担軽減や交通事故防止に繋がります。
日本でも自動運転車が今後導入されていくと予想されます。
HELPNET
HELPNETは交通事故時に、オペレーションセンターに通報が行くサービスです。
HELPNETのGPSで位置情報が届くようになっています。
HELPNETによって通報が自動で届けば、運転手が気絶している場合でも助けられます。
スマイリングロード
スマイリングロードはドライバーが安全運転をしているか管理できるサービスです。
走行距離やブレーキ回数などのデータが自動で送られ集計されます。
集計結果はドライバーにフィードバックされるので、ドライバーは運転改善を行うことができます。
IoT×製造業の活用事例
製造業でもIoTを活用して、人件費の削減や、品質向上を目指す会社か増えています。
IoTを活用すればヒューマンエラーも無くなりますし、機械の稼働状況をリアルタイムで確認することも可能です。
製造業の分野でIoTがどう活用されているか、見ていきましょう。
コマツ
小松制作所は、「機械の状況を把握できるIoTシステム」を開発しました。
機械が休止していたり、メンテナンスが必要な状態だったりしないか、リアルタイムで把握することが可能です。
Intelligence Dashboard
Intelligence Dashboardは、「各地の工場の状況を確認できるIoTシステム」です。
工場の状況をセンターで確認し、解析ソフトにかけていきます。
Intelligence Dashboardを使うことで、生産工程などに無駄がないか判断できます。
IoT×農業の活用事例
農業人工は現在大きく減少しており、生産性の向上が課題となっています。
IoTを活用することでこのような課題を解決することが注目を集めています。
作物の状態をリアルタイムで確認するなどができれば、少ない人工でも効率的な農業が可能です。
農業の分野ではどうIoTが活用されているか、見ていきましょう。
奥野田ワイナリー
農園の状況や、気温や湿度を確認できるIoTシステムです。
リアルタイムで確認できるため、早期に問題を発見することができます。
農園を確認するための人件費も削減することが可能です。
集計されたデータを確認することで、収穫時期を変更する、といったこともできます。
foop
自宅でトマトなどの野生を栽培したい人のためのIoTシステムです。
野菜が状態のスマホで通知してくれるため、初心者でも楽に栽培することができます。
IoT×物流の活用事例
物流分野では、配達にはかかる人件費の多さが課題となっています。
また、指定配達時間に家に誰もいない場合、配達業者は荷物を送り直さないといけず大変です。
こういった課題もIoTを利用すれば解決に繋がる可能性があるのです
物流の分野ではどかIoTが活用されているか、見ていきましょう。
Prime Air
Prime Airは、Amazonが現在開発している「ドローン宅配便」です。
注文から30分以内に荷物を輸送できることを目指しています。
Prime Airが実現すれば、配達費用が大きく削減される上に、配達ミスなどもなくります。
村田機械の自動倉庫システム
村田機械の自動倉庫システムは、「倉庫にある品物の仕分けを行えるIoTシステム」です。
品物に識別タグを取り付けることで、品物を機械が自動で仕分けたり、ラベルを貼ったりすることができます。
仕分けにかかる時間を削減することができる上に、冷凍倉庫のように長時間人間がいると辛い環境で活躍させることも可能です。
IoTの仕組み【IoT機器の構造について簡単に解説】
ここからはIoTの仕組み・IoT機器の構造について紹介していきます。
IoT機器には小型のコンピュータやセンサが内蔵されている
IoT機器は、小型のコンピュータ(マイコン)やセンサが内蔵されています。
部品 | 概要 |
---|---|
センサ | 物理情報などを電気信号に変える素子(距離センサ, 温度センサなど) |
マイコン | コンピュータの機能一式をそろえた小型のICチップ |
簡単に言えば、距離・速度・温度・湿度・明るさといった物理情報を感じ取るセンサーが付けられる小型のコンピュータです。
これは、基本的に「組み込み機器」と同じですので、詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
IoT機器は、小型のコンピューターが内蔵されていて、周りに情報をキャッチするセンサが取り付けられているイメージです。
インターネットに接続する仕組みを備えている
組み込み機器の定義と大きく異なるところは「インターネットにつながる」という事です。
技術的な観点でいうと、電磁波を送受信する素子とそれらを制御し通信を行う処理がインターネット接続を可能にしています。
これはスマホがキャリア通信を通じてインターネットにつながるイメージと同じです。
この「インターネットにつながる」ということを、あらゆる「モノ」に適用することで、世の中をより便利にしていこうというのがIoTの概念になります。
IoTの仕組みは意外と簡単。重要なのはどんな「モノ」に適用して、なにを実現するのかというアイデアのほうです。
IoTの需要と将来性【今後も爆伸びします】
IoTは、これからさらに需要が高くなることが予想されている将来性の高い技術です。
その背景には、5Gといったネットワーク環境の向上や自動運転技術などのAI技術との相性の良さが挙げられるでしょう。
現状、IoTエンジニアの年収はおおよそ400~700万円が相場でしたが、スキルや経験次第では年収1000万も超えることが可能な職業となっています。
ただ、学ぶことも多く内容も専門的になるため、現状IoTエンジニアは足りていないのです。
そのため、IoTエンジニアは参入障壁が高めですが、スキルを学んでしまえば困ることはない職業でしょう。
IoTエンジニアになるのに必要なスキル・知識
制御・組み込み開発
IoT開発を行うには、IoT機器そのものを制御する技術が必要です。
具体的には、IoT開発・組み込み開発に適したプログラミング言語とマイコンを使った開発を学ぶと良いでしょう。
ネットワーク・インフラ
IoT機器はインターネット上で情報をやり取りするため、それらを構成するためのネットワークやインフラの知識が必要不可欠です。
AWSやGCPといったクラウドインフラの知識もあわせて持っておくと良いでしょう。
セキュリティ
IoTに関するセキュリティの重要性は非常に高く、IoTエンジニアにも高いレベルで知識・スキルが要求されます。
IoT技術においてセキュリティ対策を怠ると、外部の人にプライバシー情報が漏れてしまったり、勝手にIoT機器を操作されてしまったりします。
IoTは身近な部分から人々の暮らしをより便利にすることが可能な素晴らしい技術ですが、それゆえセキュリティ対策を怠ると人々を危険にさらす可能性も秘めているのです。
機械学習・AI
IoTと相性の良い機械学習・AI開発の知識があると重宝されるでしょう。
最近のAI技術は大量のデータを必要とする場合が多く、そのためのデータを収集できるIoT機器と相性が良いのです。
市場価値を挙げるという点では、この機械学習・AIのスキルは是非とも持っておきたいところです。
アプリ開発
IoT機器は機器単体で使われることもありますが、Webアプリやスマホアプリと組み合わせて利用されることも多いです。
そのため、Webアプリ開発やスマホアプリ開発の知識があるとさらに市場価値を上げることが出来るでしょう。
IoTを学ぶ方法3つ
IoTを学ぶ方法①:専門学校や情報系大学で学ぶ
IoTエンジニアになるには必要な知識やスキルが多く、多くのコンピューターサイエンスの知識を必要とします。
そのため、実践的に学べる専門学校や幅広いコンピューターサイエンスの知識を学べる情報系大学は非常におすすめです。
IoTを学ぶ方法②:プログラミングスクールを受講する
短期間でIoT開発を学ぶなら「ウズウズカレッジ」「TECH BOOST」といったIoT開発を学べるプログラミングスクールを受講するのも選択肢の1つです。
IoTを学ぶ方法③:参考書やオンライン学習サイトで学ぶ
参考書やオンライン学習サイトを使って独学することもできないわけではありません。
そのような方は、まず以下の2つを学ぶことから始めましょう。
- IoT開発・組み込み開発に適したプログラミング言語
- マイコンを使ったIoT開発・組み込み開発
IoT開発・組み込み開発に適したプログラミング言語は「Python」「Java」「C言語/C++」です。
言語 | 特徴 |
---|---|
Python | AIと相性が良い・初心者に易しめ・Rasberry Piと相性が良い |
Java | 業務システム/Webアプリ/Androidアプリ開発と汎用性が高い・セキュリティ面で強い |
C言語/C++ | 組み込み系で多く利用されている・複雑な制御も行える・初心者向けではない |
マイコンとは小型のコンピューターのようなもので、「Arduino」(アルデュイーノ)と「Rasberry Pi」(ラズベリーパイ)が有名です。
マイコン | 特徴 |
---|---|
Arduino | 電子機器や回路を理解するのに最適・OSがなく動作が軽い・シンプル |
Rasberry Pi | ネットワークに強い・OSがある・複雑な処理も向いている |
おすすめ書籍などをいくつか張っておきます。
ほかにも、オンライン学習サービス「Udemy」のIoT向けのコースがあるので、キャンペーン中に買っておくと良いでしょう。
IoTの活用事例|まとめ
どうでしたでしょうか。
IoTがどのような技術・概念・仕組みであって、どのような活用事例があるかお分かりいただけたでしょうか。
- IoTはあらゆる「モノ」をインターネットにつなぎ、世の中を便利にするという概念や技術
- IoT機器は遠隔で情報を得たり操作できたりする
- IoTは様々な分野で活用されている
- IoT×家電
- IoT×医療
- IoT×自動車
- IoT×製造業
- IoT×農業
- IoT×物流
- IoTの需要は今後も伸び続けることが予想される
IoTは今まさに発展途上であり、自動運転や5Gといった最新技術とも相性が良い注目の技術です。
これからに目が離せませんね。
以上「IoTとは?意味をわかりやすく簡単に解説します!」でした!
最後までご覧いただきありがとうございます。