受託開発と自社開発とは?それぞれの違いやメリットを解説!
今回は、エンジニアに就職するなら知っておくべき企業の業務形態のお話です。
具体的には、「受託開発」と「自社開発」の違いについて解説していきます。
それぞれの業務形態には、メリットデメリットが存在します。
これらを知っておくと、就職や転職の際の大きな判断材料になるでしょう。
それでは、「受託開発」と「自社開発」の解説に移りましょう。
受託開発とは?
受託開発とは、
クライアントからシステム開発の依頼を請け負い、その要望通りにシステムの開発を行うことを指します。
簡単に言えば、クライアントが開発会社に「こんなシステムを作ってくれませんか?」と依頼をして作ってもらうというスタイルです。
そして、開発会社は、システムなどの成果物をクライアントへ納品し、それと引き換えに報酬を受け取ります。
自社開発とは?
自社開発とは、自社のサービスの開発を行うことを指します。
簡単に言えば、自分たちでサービスを作り、自分たちで売るスタイルですね。
そのため、作ったサービスがヒットすればそれだけ売り上げが伸びますし、ヒットしなければ危ない状況になる可能性もある企業です。
受託開発のメリット
実績を積みやすい
受託開発のメリットとして、「実績を積みやすい」ということが挙げられます。
プロジェクトによって開発期間は様々ですが、数か月単位で一つのプロジェクトが終わることもあります。
そのため、短期間で複数の開発実績を得ることができます。
最初は受託開発企業で経験・実績を積んで、自社開発企業に転職するという話も多く見受けられます。
様々なスキルを学びやすい
受託開発のメリットとして、「様々なスキルを学びやすい」ということが挙げられます。
自社開発はどうしても一つのサービスやシステムに従事し、開発環境が同じになりがちです。
一方、受託開発はプロジェクトごとに全然違う開発環境になることがあります。
例えば、同じWebアプリ開発でも、依頼によっては使用する「プログラミング言語」「フレームワーク」「サーバー」「OS」「開発ツール」が違ったりします。
つまり、プロジェクトごとにさまざまな開発環境を使うため、エンジニアとしてのスキルの幅が広げやすいということです。
エンジニアとして、様々なスキルを学びやすいというのは、受託開発の大きなメリットでしょう。
ただこれは企業によってさまざまで、一概にそうとは限りませんので注意が必要です。
新規開発に携われる
受託開発のメリットとして、「新規開発に携われる」ということが挙げられます。
自社開発の場合、どうしても既存のサービスをより良いものにしていくことに重点が置かれます。
(もちろん新サービスを多く立ち上げている企業もあるので一概には言えませんが。)
一方、受託開発の場合、クライアントが求めているシステムを作ることに重点が置かれます。
なので、受託開発のほうが、新規開発に触れられる機会が多いです。
エンジニアにとって、1からの新規開発に携わりシステムが完成するまでを見届けられるというのは、大きなやりがいになるでしょう。
受託開発のデメリット
スケジュールが厳しくなりやすい
受託開発のデメリットとして、「スケジュールが厳しくなりやすい」ということが挙げられます。
これは、下請けの受託開発企業に多いといわれています。
受託開発企業の構造は、クライアント→元請け→2次請け→3次請け...とどんどん下請けに案件が下りていく構造になっています。
元請けの受託開発企業は、2次請けの受託開発企業に依頼し、2次請けの受託開発企業は、3次請けの受託開発企業に依頼します。
当然、下請けの企業のもらう報酬や納期などの条件が厳しくなっていきます。
雇用される側としては、報酬についてはそこまで関係ない(年収や月収で判断できるから)ですが、納期は重要です。
納期が短い場合、余裕のないスケジュールになったりする可能性が十分にあります。
サービスが大ヒットしても見返りが少ない
受託開発のデメリットとして、「サービスが大ヒットしても見返りが少ない」ということが挙げられます。
開発したシステムやサービスが大ヒットしたとしても、基本的に見返りは少ないです。
ただ、受託開発企業としての実績になるという側面もありますね。
自社開発のメリット
サービスが大ヒットすれば大きな恩恵を得られる
自社開発のメリットとして、「サービスが大ヒットすれば大きな恩恵を得られる」ということが挙げられます。
単純に考えて「昇給」や「ボーナス」は嬉しいですし、「自分で作ったサービスが成長していく感覚」もまたエンジニアとしてのやりがいなのではないでしょうか。
これは、自社開発の特権といってもよいでしょう。
1つのプロジェクトに従事できる
自社開発のメリットとして、「1つのプロジェクトに従事できる」ということが挙げられます。
これはいろいろなメリットを兼ね備えています。
まず、雇用される側のメリットとして「環境に慣れてしまえば、それ以降の開発に余裕が持てる」ということがあります。
1つのプロジェクト内で、いきなり開発環境がガラッと変わるなんてことは滅多にないですから、一度その環境に慣れてしまえば心に余裕ができますね。
さらに、エンジニアのやりがいとして「ユーザーの声を反映することができる」ということがあります。
エンジニアとして、製品のクオリティを高めるということがやりがいになる方も多いのではないでしょうか。
このほかにも、1つのプロジェクトに従事できることによって、いろいろなメリットがあると思います。
納期が受託開発に比べて緩い
自社開発のメリットとして、「納期が受託開発に比べて緩い」ということが挙げられます。
そもそも「納期」と呼ぶのが正確かわかりませんが、自社で開発して自社でリリースするのですから多少の自由は利きますね。
もちろんこれも企業によってさまざまだとは思いますが、一般的に自社開発企業のほうが納期は緩いと思ってよいでしょう。
自社開発のデメリット
同じ環境での開発が多くなる
自社開発のデメリットとして、「同じ環境での開発が多くなる」ということが挙げられます。
これは、自社開発ではわざわざ違う開発環境を使わなくてもいいということが言えますので、しょうがないでしょう。
よく言えば、その環境においての技術を深められる、スペシャリストになれるということです。
サービスが売れないと倒産するリスクがある
自社開発のデメリットとして、「サービスが売れないと倒産するリスクがある」ということが挙げられます。
これは、スタートアップ企業、ベンチャー企業に当てはまるデメリットです。
自社開発は、自社のサービスを開発し売り出す形態ですので、そのサービスや商品だったりが売れないと、当然利益が上がらないわけですから倒産などのリスクが出てきます。
倒産までいかないにしても、リストラの可能性は上がりますし、思うように年収が上がらなかったりすることも考えられます。
入社が難しい
自社開発のデメリットとして、「入社が難しい」ということが挙げられます。
自社開発は、なにかと人気の働き方なので、競争率も高いです。
新卒採用にしても中途採用にしても、スキルがある程度ないと内定をもらうのが難しいといわれています。
どちらもメリットデメリットがある
どうでしたでしょうか!
やはりどちらもメリットデメリットはありますね。
自分が本当にやりたいことや、どんな働き方をしてみたいかを軸に、就職や転職を考えるとよいと思います。
これからエンジニア職に就職する方や転職する方の参考になれれば幸いです。
以上「受託開発と自社開発とは?それぞれの違いやメリットを解説!」でした!